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ゲームやなんかの好きなものについて語ります。
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閃の軌跡シリーズの二次創作小説です。
クロウの死に対する気持ちの整理が今に至るもどうしてもできず、
かといって他の皆さんがされたような死ななかった未来、IF妄想もうまいことできず、
結果来世に期待!という選択肢しか浮かばなかったクロウバカの書いた、
200年後の帝国を舞台にした捏造来世妄想ですが、それでもいいという方には読んでいただければ幸いです。
オリキャラは出してないですが、まだ出て来ていないジュライを舞台にしているのと、当然ながら軌跡シリーズ自体が途中な時点での200年後なので多分に捏造を含みますのでご注意を。
長くなると思います。ちょっとずつ書いていきます。
ではどうぞ・・・。



…一つだけ悔いがあるのです。
決して幸せでなかったわけではないだろうけれど。
それでも、欠けてしまったもののことがどうしても気になっていて。
だからわがままとわかっていても、もう一度機会を作らせてください。
どうか今度こそは――――

欠け代えの無い幸せを。


                          ※

果てしなく広がる青色の空。
揺れるタクシーの窓枠に肘をついて、『彼』は静かにそれを見上げていた。
雲一つないせいか同じ色を延々と続ける空を見ていると前へ進んでいるという意識が希薄になる。
なんとなくそれにもどかしさを覚えて彼は視線を運転手へと移した。
それに気付いたわけでもあるまいが、運転手がバックミラー越しに笑みを浮かべた。
「しかし珍しいね、あんたみたいな若いのがジュライに行くなんて」
彼はその言葉に首を傾げた。
「あまり若い人は行かないような街なんですか?」
「いやぁそうじゃないよ。あぁ、まだ首都の辺りでしかニュースになってないのかな。
…今あそこはね、不穏なんだよ」
「不穏…?」
言葉の響きに思わず座席に寄りかけていた背筋をぴんと伸ばした。
運転手は眉をひそめた表情で頷いた。
「知ってるかな、あそこは200年前かそこらまで別の国だったんだ」
「はい、歴史の授業で習いました。…ジュライ、市国でしたっけ」
「そうそう。それがね、なんで今さらそんなことを言い出したのか、
そもそもは別の国だったのだからジュライの利益は全てジュライの民にのみ還元されるべきである、なんつってね。
ジュライ議会がジュライをエレボニアと同等の一国として扱うことを要求してきたんだよ」
「まさか…そんなこと」
彼は思わず眉を寄せた。
いくら帝国が解体されて以後各州が自治統治する部分が多くなったとはいえ、唐突な上に途方もない要求だ。
首都議会が受け入れるとは到底思えない。
「無茶だと思うけどねぇ。首都から説得が行ったらしいけど、噂じゃずいぶん酷い追い返し方をしたらしいよ」
「それは…不穏ですね」
「そうなんだよ。だからさ、内戦になるかも…なんて話もあってね。それもあって仕事でもなけりゃあジュライに行く人間は減ってるよ。列車も本数を減らしてる。その内止まっちまうかもな」
その言葉に彼は少し微笑んだ。
「なら間に合ってよかったです。どうしても行かなきゃならないから」
逆に運転手は彼の言葉に眉をひそめた。
「なんだい、家族でもいるのかい?」
「いえ……人探しなんですが」
彼は照れくさそうに頬をかいた。
「人探しか。恋人とかかい」
からかい混じりの運転手の言葉に彼は少し顔を赤くして慌てて首を振った。
「そういうのじゃなくて、その……なんていうか、馬鹿みたいな話なんですけど」
彼は困ったように笑って言い淀んだ。
運転手がバックミラー越しの視線で続けるよう促すと、彼はもう一度「馬鹿みたいな話なんですけど」と言い置いて続けた。
「どんな人なのか、実はよくわからないんです」
「わからない人をなんだって探すんだい」
呆れたような運転手の言葉に苦笑して、彼はまた濃い青の空を見上げた。
「夢を見るんです。もう小さい頃からずっと。その夢の中で俺は誰かを追いかけてるんですけど、どうしても顔は見えなくて、追いつくこともできなくて…」
夢の中で感じていたもどかしさを思い出して彼は無意識に膝の上の拳を握り締めた。
もう何年も見続けている夢なのに、意識して思い返そうとしなければただでさえ漠然とした夢はさらに霞がかって遠のいていく。
それだけ、その夢は儚い。
「ジュライって名前を聞いた時、そこだ、行かなきゃって何故か思ったんです。準備して家族を説得して、ようやく本当にここまで来れた。だから、間に合ってよかったです」
そう言って微笑むと、呆気にとられていた運転手はつられたように笑みを浮かべた。
「よくわからんが、無事会えるといいなぁ。…名前もわかんないのかい」
問われて彼は記憶をたぐろうと眉根を寄せた。
「思い…出せそうな気もするんです。夢の中の俺は名前を呼んでいるはずなのに…。でもジュライに近付くほど何か思い出せそうな感覚があって」
彼は窓に額を寄せて前方に見えてきた街並みを睨み付けるようにした。
「…あと、少しなのに」


「ありがとうございました」
料金を支払って車の扉を開く。
そこは街の玄関口に当たるターミナルのようだった。
彼が乗ってきたタクシーの他にもバスや車が何台も止まっている。
初めて見る街並みに目を奪われていると運転手は座席越しに振り返って彼を見た。
「探し人が無事見つかるよう祈ってるよ。ジュライにはちょくちょく来てるしここいらの出身だから助けになれるかもしれねぇ。何かあったらこのターミナルまで来てくれ。…あぁそういやにいちゃん、名前はなんてんだ?」
彼は振り返って微笑んだ。
「リィンといいます。もし何かあったら頼らせてもらいます。…ありがとうございました」
彼――リィンは感謝を込めて折り目正しく頭を下げた。

                     ※

タクシーの運転手に別れを告げ、ターミナルから街中を走る大通りへと出たリィンはジュライの街並みを見渡して感嘆のため息をついた。
「すごいな…さすがにユミルとじゃ全然違う」
リィンの故郷は観光地ではあるものの、さして大きな町ではない。
港町であり、他国との貿易の玄関口でもあるジュライとは都市の規模は比べ物にならなかった。
(それに…潮の香りがする)
険しい山間にあるユミルとは空気の色合いも匂いも何もかもが違う。
自分が故郷から遠く離れた場所に来たことを実感してリィンは少し心細い気がした。
けれど立ち止まっているわけにもいかなかった。
何の当てもなくここまで来たから今晩の宿から探さなければならない。
幸いそれに関しては先ほどの運転手がいいホテルを教えてくれていた。
リィンはメモを頼りに大通りに沿って歩き出す。
(確かにちょっとぴりぴりはしてる気がするな。それに兵士の数が多い……いや、ユミルと比べちゃいけないのかな)
それぞれの自治州は国に認められた規模で州兵という自分達の軍を所有している。
ジュライとユミルでは所属する州が違う為兵士の制服が少し違う。
そのせいかなんだかあちこちに険しい顔をして立つ兵士の姿に違和感を感じる気がした。
とはいえ、街を行く人々からは内戦直前というほどの緊張感は感じない。
(エレボニアから独立して一つの国家として立つ…なんて、本気で考えてるのかな)
かつて帝国であった頃の厳然とした強さはないにしても、いまだに大陸屈指の大国である。
それを敵に回して戦うことにどんな利益があるのか、リィンにはわからなかった。
「………」
考えの及ばないことで悩んでいても仕方がない。
リィンは頭を一つ振って自分の目的を果たすことに気持ちを切り替えた。
「ここ…かな」
メモに描かれたホテル名と目の前に建つこじんまりとした、しかし小奇麗な建物にかかった看板を見比べる。
看板には『ウェストウィンズ』とくすんだ金色の文字で書かれていた。
「空いてるといいなぁ…」
硝子越しに見る限りロビーにあまり人はいないようだ。
眺めていても仕方ないのでリィンは意を決して扉をくぐった。
「いらっしゃいませ」
「すみません、今空いている部屋はありますか?」
問うなりフロントの若い男性は自嘲するような苦笑を浮かべた。
「空き放題泊りたい放題ですよ。ここしばらくの抗争のせいで観光客の方々はあらかた帰られてしまいましたしねぇ。
仕事でいらしてる方々もちょっとずつ引き上げているくらいです」
「こ、抗争?首都とですか?」
運転手に聞いていたより格段に物騒な単語が出て来てリィンは思わずたじろいだ。
誰かに愚痴を言いたかったらしく、フロントの男性はここぞとばかりに身を乗り出してきた。
「ご存じないんで?ここしばらくジュライは独立派と反対派の抗争が続いてるですよ。
互いの拠点に攻撃を仕掛けたりしてるせいで兵士がひっきりなしに走り回ってて物騒で仕方ない。
幸い今のところ民間人に怪我人は出てないようですが、それも子の調子じゃ…」
「それは…結構大事ですね…」
街中からは特別切迫した空気は感じなかったが、それでは観光客は逃げるだろう。
いかに客が減ってしまったかを語り続けようとする男性をなだめてリィンは当面の宿を取ることに成功した。
とりあえず一週間、それでだめならその時考えるつもりだった。
鍵を受け取ってエレベーターへ向かおうとしたリィンに受付の男性が声をかけた。
「もし途中でキャンセルされるようでもキャンセル料はいただいておりませんので、いつでもお申し付けください」
少し皮肉交じりの口調に苦笑しつつ礼を述べ、リィンは今度こそエレベーターへと向かった。

                    ※

「さて…と」
荷物を部屋に置き、再びホテルの前の通りに立ったリィンは体を伸ばしてから左右を見まわした。
人通りも車通りもユミルから出たことのなかったリィンにしてみれば目が回るほど多い。
途方に暮れかけて、慌てて頭を振る。
(とりあえず地理を把握する意味でもぐるっと街を回ってみるか…)
決意を込めて背中の太刀を背負い直す。
あまり何かに熱中することのない性質だが、幼くして始めた剣術だけは身についた。
この太刀は師である老人からもらったもので、魔獣の出現も間遠なこのご時世抜くことはほぼないが、
こうして背負っていると身が引き締まり、気持ちが落ち着く気がした。
「それにしても…」
適当に、右手側に歩き始めてふと思う。
(前にもこんな風に知らない街を回ろうとしたことがあったような…?)
奇妙な既視感を覚えながら、リィンは当て所の無い探索を始めた。


「海と街がくっついてる…」
潮の香りに惹かれてリィンがまず辿り着いたのは港だった。
漁港ではなく貿易船が停泊する為の港で、今も大きな船が何隻か光る海面に威容を晒している。
山育ちのリィンにしてみると街がそのまま海に続く様は物珍しく、興味深かった。
見るともなしに忙しそうに立ち働く船乗りたちを遠巻きに見つめる。
…あの中に、あの人はいるだろうか。
「やはり…ずいぶん船が減っているな…」
「?」
物思いに沈んでいると、いつのまにか横に緑がかった黒髪の少年が立っていた。
リィンと同じ年頃だろうか、皺の無いシャツにきっちりジャケットを着込んだ服装と黒縁の眼鏡のせいか神経質そうな印象を受けた。
(あれ…どこかで…?)
知っているはずはないのだが、なぜかふと懐かしさを感じた。
覚えていないだけでどこかで会ったろうか、とついまじまじと見つめていると、少年はリィンの視線に気付いて慌てて咳ばらいをした。
「失礼」
気まずそうに軽く会釈をすると少年は足早に立ち去ってしまった。
リィンはしばらくその後ろ姿を不思議そうに見送っていたが、やはり記憶の中に彼の情報はなさそうだったので港へと視線を戻した。
(これ…船少ないのか)
ということはやはりフロントで言っていたように出入りする人間自体が減って来ているのだろう。
あの人も、ジュライを出てしまうだろうか。
「………」
夢で見た追いつけない背中を思い出し、妙な焦りを覚えてリィンは身を翻した。
立ち止まっている時間はなさそうだった。

                    ※

改めてターミナルで手に入れたジュライ市街のパンフレットを開いてみる。
大きく分けて、先ほどリィンのいた港湾地区、ホテルや店舗の並ぶ商業地区、主に魚介類の加工工場のある工業地区、市民の暮らす居住地区、そして議事堂等のある行政地区がある。
首都ほどとはいかないが、エレボニア国内すべてを見ても五指に入る大都市である。
各州が保有する州兵の他にジュライ議会独自の警備隊も所有しており、さすがに独立などと無茶を言い出せるだけの地力はあるようだった。
リィンはしばしどこを目指すか悩んだが、ちらりと覗いた行政地区は兵士の数が尋常ではなく、下手に近付いても不審者扱いが関の山のような気がした。
(ホテルのある辺りはいつでも廻れるし…「これ」を持って今居住地区をうろうろするのもなぁ…)
一人苦笑しながら横目で太刀を見た。
不審者扱いされたくはないので、行政地区や居住地区といった余所者の出入りが少なさそうなところは避けた方が良さそうだった。
「となると工業地区かぁ…」
『彼』がどういう人物だかわからない以上工業地区に縁があるかどうかは判断のしようがないが、なんとなくあまり関係ないのではないか、という気がしてならない。
それでもどこに手がかりがあるかわからない現状では行く価値がないとも言い切れない。
「よし、とにかく行ってみるか」
パンフレットを閉じて歩き出す。
港湾地区と工業地区はその性質上隣合っている。
今いる場所からでも工場と思しき建物群を見て取ることができた。
それを目印にしばらく歩くと工業地区との境界線なのか、グレーのフェンスが見えた。
もしかして立ち入るには許可が必要なのだろうか、と足を止めた時だった。
「……!」
首筋にざわりと寒気が走った。
(なに…!?)
剣の修行で山に籠っていた時、獣に襲われる直前に感じた感覚、危機感。
その感覚がそれだ、と気付くと同時に爆音が鳴った。
「なっ…」
行く先、工場群の一角から焔と煙が巻き上がった。
重なるように、周囲から悲鳴や怒号が響き始めた。
「またか!反対派のやつらか!?」
誰かがあげた声でリィンも爆発が先ほどホテルで聞いた抗争によるものだと気付く。
港湾地区にほど近い場所だったのか、熱気が伝わってきさえする。
リィンは無意識に太刀を握り締めて焔のあがる方向を見つめた。
(どうする…?!土地勘のない俺が行っても…!)
周囲は混乱している。
兵士が次々と工場の方へ走って行くが、辺りで怯える市民には目もくれていないようだ。
(避難誘導だけでもやってみるか)
見れば子供を連れた女性などもちらほら見かける。
犯人たちがこちらに逃げてこないとも限らない。
港の方へ誘導すれば万が一の時守るくらいはできるかもしれない。
結論が出て、リィンが決意を行動に移そうとした時だった。
「えっ…」
リィンの立つ通りから一つ奥に入った細い路地、薄暗い裏通りを何かが駆け抜けて行った。
その人影に妙に目を惹きつけられて思わずその裏路地を凝視する。
「おいっ、どっちへいった!?」
「わからん、見失った、くそっ!」
するとフェンスから何人かの兵士が飛び出して来て悪態をついた。
追っていたのは…。
「っ……」
ほとんど衝動的にリィンは裏路地に沿って走り出した。
横目で裏路地を確認しながら人を避けて入っていると、いくつか建物を過ぎた時先ほどの人影が走りすぎていくのが一瞬見えた。
(見つけた!)
リィンは強く地面を蹴って裏路地に飛び込んだ。
「待て!」
鋭い声をあげると少し先で人影が足を止めた。
警戒するように半身で振り返ったその影はリィンとさして変わらない年頃の若い男に見えた。
周囲を建物に囲まれて路地は細く、薄暗い。
彼の顔は滲んだようにはっきりしなかった。
「動くな。動けば斬るぞ。……爆発のあった方から逃げてきたな。何か関係があるのか?」
彼からも見えるように太刀に手をかけ、にじるように徐々に距離を詰める。
すると男はリィンに比べるとよほど悠々とした態度で振り返り、笑みを浮かべた。
「へぇ、珍しいな、太刀か。物騒なもん持ってやがんなぁ」
その声音。
耳に届いた一瞬で心臓が跳ね上がった。
「………ぁ」
夢の光景が頭をよぎる。
追いつけない背中、届かない声。
それと同時に頭の中に白い光が満ちて、その奥にいくつかの光景が迸った。

『よ、後輩君』

『加勢するぜ、後輩ッ!』

『ったく、甘ったれめ。…わーった、そのうちにな』

『士官学院生……はただのフェイクだ』

『誰にも邪魔はさせねえ!オレとお前の最期の勝負を!』

『立ち止まんな!前を向いて、お前にしかできない事をやれ!』

『…ただひらすらに……ひたむきに……前へ…』

認識できないほど一気に様々な『知らない想い出』が去来する。
そしてその映像を頭が理解するより前に腕にずしりとした重さと徐々に薄れていく体温を感じてリィンは胸を締め上げるような切なさを覚えた。
(あ……)
思い出したいという切望と思い出したくないという拒絶が胸の奥でぶつかり合う。
それが収束して絞り出されるように口を突いて一つの名前が零れ出た。
「………クロウ」
そうだ。
そうだこの名前だ、ずっと夢の中で呼んでいたのは。
その名前を口にすると同時にようやく会えたというどうしようもない嬉しさが胸に溢れた。
唐突に名前を呼ばれた当のクロウは怪訝そうに眉を寄せた。
「なんでオレの名前を…」
言い差して、薄暗がりの中初めてまっすぐリィンと目を合わせた。
するとクロウの方も何か思い当たったように目を瞠った。
声が空気を震わせることはなかったが、間違いなくリィンの名の形に唇が動いた。
相手も自分を認識している、それで余計に嬉しくなってリィンは衝動的に駆け寄ろうと足を踏み出した。
が、それを抑えるようにクロウは逆に一歩下がった。
「オレに関わるな」
「え…」
突き放すように硬い声にリィンの足が止まる。
「ろくでもないことに巻き込まれたくなけりゃ、とっととジュライを出るんだな」
「クロ…」
問い返すより先にクロウが表通りに向かって走り出した。
「クロウ!」
慌てて追いかけたが表通りはいつの間にか工場地区から逃げてきたと思しき人々で溢れかえっていた。
どこを見回してもクロウの姿を見付けることはできず、リィンは深くため息をついた。
「どうして…」
彼の言葉と、そして自分の中に湧き上がった由来不明の感情に向けて呟く。
どうしてこんな気持ちになるのか自分でもさっぱりわからなかった。
何か思い出しかけた気がするのに今では頭に霧がかかったようになんの映像も浮かんで来ない。
「あれは…なんだったんだ…?」
そしてずっと見続けている夢はなんなのか。
どうして自分はここまで来たのか。
改めて考えてもなんの答えも出ず、リィンは怯えたようにざわめく人々の視線を追うようにしていまだに煙を上げ続ける工場地区をただ見つめた。

次回へ続く!
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